勘違い

ありがたいことに私にはラグビーに一緒に行く友人がいる。表題はその友人が口にした言葉である。

彼と来年のワールドカップのチケットを高い、高いと言いながらも日本開催は二度とないだろうからと共に大枚をはたいた。

そのワールドカップのプレイベントとでもいうのだろうか。今年の11月3日に味の素スタジアムで日本代表とニュージーランド代表が対戦する。

その前売り価格が尋常ではない。

一番安い席で7000円(小中学生は3500円)。

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この紫色の部分(カテゴリー4)が7000円。

※カテゴリー1:25000円 2:17000円 3:12000円

ラグビーは攻防の激しいスポーツなので、真横から観るのが一番その醍醐味を味わえる。フィールドを縦から観ることになる席は魅力半減で、その価格設定もそれ相応になるのが常だ。

散々高いと言い続けたサンウルブズでさえ、縦方向から見る席は自由席になっており、1500円~2000円に設定されていた。

それなのに7000円。秩父宮ラグビー場味の素スタジアムというハコの違いはあるが、いや、むしろ選手と距離の近い秩父宮の方がお得な感じさえするのに、目線の高低差も考慮することなく価格設定をしてきた。

これは実際のワールドカップと同じ価格設定なのである。あくまで私の場合ではあるが、法外な値段に文句を言いながらも購入しているのは生涯一度の機会だからと腹を括っているからだ。単なる親善試合にワールドカップ相当の値段を払わせる魅力はない。

確かにニュージーランド代表、すなわちオールブラックスラグビーを知らない人でさえ、その名を耳にしたことがあるという世界で最も有名なチームだ。世界ランクももちろん1位。

だが、この試合の勝敗がワールドカップに反映されることはもちろん無いし、来日するメンバーが本気のメンツなのかどうかもわからない。あくまでイベントだ。

この試合の主催は日本ラグビー協会である。今のところラグビー好きの間でしか盛り上がっていない来年のワールドカップ。協会の課題はラグビーを知らない人々にその魅力を伝え続けファンの裾野を広げることにある。前回大会で南アフリカに勝ったことはもはや遠い昔で、一躍スターになった五郎丸の代表入りは厳しい。もう人々の頭の中にはラグビーのラの字すら浮かんでこないのが現状だろう。

世界一のチームが来日することは、チケットの値段を上げて儲けることが出来るという商機ではない。世界一のプレーを生で観ることが出来るというラグビー最大の魅力を世間に広げるチャンスなのである。

通常の値段よりも値下げして、味の素スタジアムを大入り満員にするくらいの懐の深さがなぜ無いのか。それでこそ協会やるじゃないかと評価を上げることが出来るのに。断言しよう。この試合、満員にはなるまい。

ラグビー好きのために日本でワールドカップを開催しても何の意味もない。それでは、どこの国で開催しても同じである。好きな人で盛り上がっていればいいじゃないかという話だ。そうなってはいけない。その為にもあの手この手を使って世間の目をラグビーに向けさせなくてはいけないのだ。

日本ラグビー協会は自分たちがまだまだマイナースポーツであることを強く自覚するべきである。