映画の感想
年に2度ほどある1日に一気に映画を観る日。
それが11月14日だった。
この日に観た映画の感想。
『止められるか、俺たちを』(白石和彌監督)
若松孝二監督のイチバン熱かった時代(1969~71年)を切り取った作品。
「世の中をぶっ壊す」手段に映画を用いた若松監督とその仲間たちの喜びと哀しみが描かれている。
私とは世代もかけ離れているし、若松孝二作品をほとんど観ていないので、観終わった後に感慨はないが、己の信条を映画の中で思う存分に描くということを邁進していったそのバイタリティーは現代の映画作りをしている人たち(主に出資者)には見習ってほしい。
『ボヘミアン・ラプソディ』(ブライアン・シンガー監督)
これまた世代ではないクイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーのお話。
彼が伝説の階段を駆け上がる物語。
天賦の才を持った人のありがちなストーリー展開ではあるが、そんなことはもはやどうでもよくて、劇中で流れる名曲たちがこの映画を偉大なモノにしてゆく。
ラスト20分はクイーンのことを何も知らなかった私も、歌の力で感動の渦に引き込まれていた。
『GODZILLA 星を喰う者』(静野孔文、瀬下寛之監督)
アニメゴジラシリーズ第3弾にして最終章。
半年前の第2章の内容を見事に忘れているので、観ながら徐々に思い出してゆく。
第1章から次元を超えた強さだったゴジラだったが、3章ともなると敵も理解不能な強さになっていて、もう人間が介入する余地などないのだが、そうなると物語が成立しない。なので、ありきたりな設定がストーリーラインに構成されている。
ゆえに「結局、そんな話か。。」という感想になってしまう。
『search/サーチ』(アニーシュ・チャガンティ監督)
全編、パソコンの画面を通じて物語が進行するチャレンジングな作品。
高校生の娘と連絡が取れなくなった父親の奮闘がサスペンスフルに描かれる。
ネットには色んな隠れ場所があるのだなと考えさせられる。
『ヴェノム』(ルーベン・フライシャー監督)
お金をたくさんかけて、観る者を楽しませることを第一に作られるマーベル作品の最新作。
単なる正義のヒーローではないキャラクターをトム・ハーディに掛け合わせるベストキャスティング。
ヴェノムが“イイモン”に翻意するくだりの説得力は薄い気がするが、そんなことを気にしていてはマーベル作品には付いていけないので、大きな心で受け入れる。
『デス・ウィッシュ』(イーライ・ロス監督)
結局、この日観た中で一番楽しめたのは、我らがブルース・ウィリスの作品。
劇中で悪い奴らを次々と成敗してくれる。
大まかなストーリーは、医者を演じるB・ウィリスが妻と娘を暴漢に襲われてしまい、警察の捜査も滞る中、自ら決着をつけていく—というもの。
とにかく妻と娘が襲われてからのB・ウィリスの目のギラつき方が尋常ではない。
そこら辺の悪者よりよっぽどやばい目つきをしているのが面白い。
年を重ねてから、何となく演技派みたいな役が多くなっているが、やはり彼にはダイ・ハードを求めてしまう。
それが今作では全開。やはり彼には無敵のヒーローであってほしい。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PARTⅡ』(1989年/ロバート・ゼメキス監督)や『セイント』(1997年/フィリップ・ノイス監督)以来、ぼんやりファンだったエリザベス・シューが出演しているのも嬉しい。