『ドライブ・マイ・カー』

やはり3時間は長い。
主人公(西島秀俊)が奥さん(霧島れいか)を亡くしてからの喪失感と、浮気の訳、真実を知りたい思いと知りたくない自分との葛藤を抱えながら生きていく姿を描いていく。西島秀俊は一生懸命演じていたと思うが、2時間で収められませんかね...
そんな西島秀俊とドライバー役の三浦透子の不幸な生い立ちに起因する心の傷とともに物語は何とか浄化する方向へ向かっていくのだけど、このテーマで180分は...岡田将生が一生懸命かき回すけど、しんどいことに変わりない。
聾唖者や韓国人、中国人などなどの出演者の多様性に賞狙いのあざとさを感じてしまったのは私の心が醜いからなのか。

それから、自分の興味のないお芝居の稽古(主に本読み)を延々観させられるのもツラかった。


で、一番納得しがたいのは23歳の女性ドライバーに広島から北海道まで休まずに運転させること。いくらドライバーがプロでも絶対そんなことさせちゃダメ。本人が大丈夫って言っても、むしろ寝てほしいので、休ませなきゃダメ。
ブッ飛ばしても1日以上かかる運転になるのだから、百歩譲っても交代しながら行ってほしい。ワンマンは全く共感できない。三浦透子は「フェリーで寝ます」って言ってたけど、青森~函館のフェリーは4時間弱で着いちゃうから、全然足りないよ。しかもスタンダード船室だし。あれだけ運転させたならスイートで寝かしてあげなよ。お金が無いわけじゃないだろうに。ドライバーを労ってほしい。

というわけで、なんでこんなに評価されたのか謎。
しかも、結局奥さんの真実は分からないまま。そういう人もいるよね、真実はわからないけど、残された私たちは前を向いて生きていこう。みたいな終わり方なのも消化不良。