肝っ玉おっ母と子供たち

日本で存命かつ現役の映画男優スターはもう小林旭加山雄三仲代達矢くらいだろうか。

小林旭のコンサート、演劇は生で観に行ったことがある。

加山雄三のコンサートも観に行った。

残るは仲代達矢である。

銀幕で観る彼は、スター性こそ二人に及ばないものの、演技力では完全に圧倒している。

『肝っ玉おっ母と子供たち』はその仲代達矢の演劇である。

11月9日、彼自身がプロデュースして建てた能登演劇堂へ観に行った。ご本人には申し訳ないが、歳も歳なので早く観に行かなければいけないと思って、『ビブリア古書堂の事件手帖』(三島有紀子監督)のセット撮影中に席を予約しておいたのだ。

全国を回る予定らしいが、舞台後方の大扉が全開し能登の緑を借景にする演出がなされる能登演劇堂で観てこそのお芝居である。(「扉が開くと寒いので気を付けて」の看板とアナウンスが入る)

84歳の執念、情念が迫ってくる舞台だった。

戦争を起こす人間の愚かさを仲代達矢がこれでもかと突き付けてくるのである。先の大戦を肌で覚えている最後の世代の反戦メッセージ。

つい先日、NHK-BSで「仲代達矢 いのちと向きあう」と題して、この舞台に挑む仲代達矢のドキュメンタリーが放送された。亡き妻と、弟子たちと共に一心不乱に舞台に打ちこむ姿、その熱い思いが映されていた。(多分、再放送される気がする。ぜひ観てほしい)

映像の現場でいろいろな俳優さんを目にすることは多いけれど、演劇の舞台に挑む姿を生観劇するのは直で受け手に回っている分、伝わってくる熱量が違う。

都内から車で7時間(北陸地方は東京から最も行きづらい。それに加えて能登。これがまた遠い…)。でも、観に行って本当に良かった。生涯の財産になることは間違いない。

 

※参考までに日刊スポーツの記事をリンクしておく

仲代達矢、肝っ玉おっ母で「役者人生締めくくり」 - 芸能 : 日刊スポーツ

 

あ、そういえば梅宮辰夫もいたね。あんまり惹かれないのはなんでだろ。。