お相撲楽しいな
この２ヵ月間、無駄に世間を賑わせている【日馬富士暴行事件】が、今日ある一定の決着を迎えた。各ニュースで伝えられる暴行現場の詳細が面白い。
処分内容は―
伊勢ケ濱親方の理事辞任。
八角理事長の給料返上。
横綱が引退してしまう大事件の始末としては、妥当な線か。まあ、問題だらけの横綱を選んできた横審にも責任はあると思うが。
いくら態度が悪いからといっても、十針も縫うケガを負わせてはいけない。そんな風に弟子を育ててしまった伊勢ケ濱親方は責められても仕方ない。日馬富士の引退会見でも「納得できない」感丸出しだったし、たぶん今でも反省してないのではなかろうか。
貴乃花親方に振り回されまくった八角理事長。騒ぎを大きくしたくなかったのに、貴乃花親方の策謀により、大盛り上がりしてしまい、後手後手に回ってしまった。この落ち度を見逃すわけにはいかなかった。無念の給料返上。
同じモンゴル人同士のケンカで収めたかった白鵬と鶴竜も貴乃花親方にしてやられた。暴行を目の当たりにしながら、リモコンを持つまで日馬富士を止めなかった白鵬。そして、特に何をしたかも伝わってこない鶴竜。可愛い弟子を痛めつけられた貴乃花親方が許すはずがない。貴乃花親方は沈黙することで、話題が同席していた人間の責任にまで及ぶことを計算していたのだろう。特に「また日馬富士と貴ノ岩を土俵に上げてあげたい」などと千秋楽インタビューでお気楽な発言をした白鵬には怒り心頭であったに違いない。貴乃花親方の作戦勝ちである。
隠蔽体質の相撲協会を全く信じることなく、自らの信念を貫き通した貴乃花親方。彼が相撲協会をどのようにしたいのかのビジョンはわからないが、少なくとも今の体制で運営していくことには反対であることは一目瞭然。
宮沢りえ騒動、洗脳騒動などで報道機関を一切信頼していないだろうから、マスコミを通して味方を増やそうとは決してしない。己を信じてくれるものだけに向き合うその姿勢が今回は吉と出た。
さながら『仁義なき戦い』みるようであった今回の騒動。あらゆる重大ニュースをすっ飛ばし、連日トップで報じる報道姿勢に辟易もしたが、楽しませてももらった。
しかし、これですべてが終わったわけではない。貴乃花親方の聴取はこれからだし、１月からは初場所も始まる。横審委員長から張り差し、かちあげを批判された白鵬の取り口も見どころだし、貴ノ岩が出場すればそれだけで盛り上がる。続編も目が離せない。
どんなに不祥事が起きても日本人はお相撲が大好きである。幕内力士全員ドーピング違反とかでもない限り廃れないだろう。
スター候補である大鵬の孫、納谷も角界入りした。大横綱の血を引く彼には期待も多かろう。が、父親は「ギャンブルで１０億すった」と言ってしまう貴闘力である。相撲協会にとって天使となるか悪魔となるか。
