ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(マイケル・ドハティ監督)

ネタバレあり

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シネシティ広場(旧コマ劇場前広場)を威嚇するゴジラ

前作から5年。ようやく続編が公開される。
その前作はゴジラの単独出演作かと思いきや、見ず知らずのムートーなる昆虫っぽい怪獣と戦っていて肩透かしを食らった。
あんなぽっと出のヤツに怪獣王が負けるわけがない。
今回は公開のかなり前からキングギドラモスララドンが出演するという情報が解禁され、ファンの期待を高ぶらせた。

自分も期待したファンの一人。
5月31日の世界同時公開にあわせ、TOHOシネマズ新宿での0:30~の回に乗り込んだ。
さあ上映。
そして、、、
ある程度期待に応えた作品になったと思う。
全編通して間近に怪獣を感じることのできる作りになっていて、まさに怪獣サファリパーク。壮大なスペクタクル映像は映画館で観てこその仕上がりだ。
さて、あらかじめ情報公開された3大スターたちはどうだったか。
キングギドラゴジラの最大のライバルという立場にふさわしく、憎らしいまでの強さを発揮。敵役として申し分のない働きを見せてくれた。
モスラはベースが蛾なので、どうしてもほかの怪獣と強さに差が出る。そこを神秘性と神々しさをもって全力でカバー。地球の守護神たる役目を全うしていた。
ラドンはそのデビューを単独主演で飾りながらも(『空の大怪獣ラドン』1956年・本多猪四郎監督)、その後は常に脇役にまわり続ける不遇の扱いを受けていたが、ハリウッドに行っても悲しいくらいの引き立て役。だが、こういうキャラクターは実は得難い存在で、作品にメリハリを付ける重要な役割を見事に果たしていた。

色々な突っ込みどころはなくはない。
・怪獣の肉弾戦の最中に、その足元で人間がちょこまか動いていて無事であるはずがない
・怪獣を操れる〈オルカ〉という機械が万能すぎる。その割に、いろんな意味で扱いが雑
・子供がスルスルとフェンウェイパークの内部にまでたどり着けちゃう
・芹沢博士の決死の覚悟を皆があまり止めない
などなどあるが、いちいち指摘して批判するほどのことではない。
映画的な妙味である。
※野球ファンには、フェンウェイパークで怪獣が戦い、さりげなくモンスターコラボさせているのが嬉しい

この映画の根底にはオリジナル作品へのリスペクトがある。
劇中でゴジラが登場するシーンではあのゴジラのテーマが流れ、モスラが登場するシーンではあのモスラのテーマが流れる。
伊福部昭古関裕而。日本が生んだ世界に誇れる作曲家の名曲がハリウッドの超大作で使用され、大スクリーンで聴くことができるという誇らしさと嬉しさが胸に残る。これだけを取っても観る価値のある作品である。
また、エンドロールの最後を故坂野義光、故中島春雄へ敬意を表する形で締めくくっており、作り手のゴジラへの愛と尊敬の念を強く感じる。

次作はいよいよキングコングとの決戦。
無茶苦茶強くなったゴジラキングコングがどう対峙していくのか。
是非ともお城を粉々にしながら戦ってほしい。