不満。

ラグビーワールドカップを何試合か観に行っている。

日本戦も対ロシア、対アイルランド、対スコットランドと現地で観てきた。その躍進に驚き、そして感動している。去年の1月からチケットを手に入れるために頑張ってきた甲斐があった。

ベスト8進出を決めたスコットランド戦。日産スタジアムの熱気は凄まじかった。67000人の熱狂たるや、日本ダービーの10万人のファンファーレをしのぐ興奮がそこにはあった。

そんな歴史的な瞬間に立ち会えたのに、あえて水を差すことを書く。完全に愚痴であることは承知の上だ。

歓喜の試合終了後にかかった曲が気にくわない。

『Rising Sun』(EXILE)

本当に試合終了直後に流れた。

「なんでこの曲?」

が会場にいた私の感想だった。

何か由来があるのかもしれない。Rising Sunを検索してみる。出てきたのは東日本大震災復興ソングであること、9/6に行われた壮行試合 日本vs南アフリカ戦の前に中学生たちが「ダンスで日本を元気に」というRising Sun Projectの一環で踊ったこと、というのものだった。

なるほど試合前日に日本列島を襲った台風19号の被害は深刻で、被災者に向けて「頑張ろう」という意味合いはあっただろう。また曲名からして日出づるだ。日本の勝利にはふさわしいのかもしれない。

けれど、いかんせんラグビーとの馴染みがほぼない。LDH(EXILEの所属事務所)が立ち上げた震災復興を支援しようというRising Sun Projectは立派だが、何もわざわざ試合終了直後に大音量で観客を煽るように流す曲ではない。うがった見方をすれば、選曲者の、うまいこと選んだでしょ?  という「やってやりました感」がすけてみえる。

そもそも、試合終了直後に曲を流す必要はあっただろうか?

アイルランド戦の終了後は観客を煽るような曲は流れず、激闘を制した選手たちにファンがそれぞれ大声で感謝の言葉を掛け、そこに鳴りやまない拍手があり、偶発的に万歳三唱が起きた。それは、とても感動的なシーンとして記憶の中にとどめられている。

史上初の決勝トーナメント進出という日本代表が目標を成し遂げたあの空気を、その勝利の余韻を、手つかずのまま味わいたかった。よくわからん曲に邪魔されたくなかった。

どうせ流すのであれば、これまでラグビー人気を細々とつないできた『ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO』(麻倉未稀)にしてほしかったなあ。

以上、不満1個目。

 

東京オリンピックのマラソン競歩が札幌で行われる、というよくわからないニュースが飛び込んできた。理由は暑さ対策、だという。

もはや、何を今さら、である。7月から8月にかけて開催することなんか、ずーっと前から決まってたじゃん。暑い時期なんてことは知ってたじゃん。

別に札幌で競技を行うことに反対ではない。そりゃ、少しでも涼しいところでやった方が選手も楽でしょう。でも、そんなこと言い始めたら屋外競技、全部暑いよ。それに、札幌とて時には東京をしのぐくらい暑い時あるよ。開催時期をもっとちゃんと検討すれば良かったじゃん。

それで、何が気にくわないのかというと、バッハとかいうIOCの会長だ。ドーハで行われた世界陸上のマラソン競歩で棄権者が続出して選手の命の危機感を抱いたというが、なんのことはない。バッハが自分の保身のために言い出したのだろう。東京でマラソン競歩をさせて、万が一死人でも出たら、会長としての立場が無くなることを恐れたに違いない。自分の経歴に傷をつけたくないのだ。

それで、開催が9ヶ月後に迫ったこの時期に突然の通告。結局、日本人はナメられてる。明治維新の時から欧米人の日本を見る目は変わってない。同じ敗戦国のドイツ人ですら、こういうことをしてくる。

これはある種の戦争なので、「はいわかりました」とすぐに承諾せずに、ごね続けてほしい。揉めに揉めてぐちゃぐちゃになるくらい抵抗して、日本人の意地を見せてもらいたい。

以上、不満2個目。