ミッドナイトスワン(内田英治監督)

世間での評判が良い映画。

トランスジェンダーを演じた草彅剛は頑張っていたと思うが、私にはどうしても草彅剛にしか見えなかった。

なんだろうな。彼の声があまり好きじゃないからだろうな。そこが気に食わないと、なかなかそのお芝居には入っていけない。

まあ、大前提として、女性になっている草彅剛を美しいと思えなかったという致命的な要素もある。もう、これは好みの問題だから仕方ない。

一方で服部樹咲は、まだ何にも染まってない素の感じが生かされていて良かった。

踊れないとキャスティングされない役柄なわけだが、特にダンスシーンの彼女は圧巻だった。今後の彼女の役者人生が良きものになることを心から願う。

 

映画自体は、切ない話だけど、そこまで胸を打つかと言われれば、そんなことはない。

これは草彅剛の芝居に入り込めなかったことが原因なのかしら。

服部の母を演じる水川あさみがちょっと都合よく登場してくる感があるのも醒めてしまった要因だろうか。

ただ、ほとんどの登場人物が報われていないというのは、現代社会の歪みをよく表していると思う。