映画の感想:MEG ザ・モンスター(ジョン・タートルトーブ監督)

この秋、最も楽しみにしていた映画。
期待にたがわぬ作品だった。

全世界の映画好きを虜にするキャラクター、サメ。
ジョーズ』を筆頭に、サメ映画は数多く作られた。だが、それらは主にB級作品として位置づけられることが多く、時にキワモノ扱いされることもある。
だが、今回は違う。製作サイドは中国資本を味方につけ、巨額の資金を投入し本気のサメ映画を作り上げた。
その大いなる期待を背負ったのは、サメの中でも地球史上最も巨大であったと言われるメガロドン。太古に生きた全長20~30mの巨大ザメである。
ゴジラジュラシックパークなどと例えを挙げるまでもなく、私たちは大きな怪物が人々を襲うストーリーが大好きだ。
サメ×巨大の掛け合わせは黄金配合である。

その巨大ザメに挑むのはジェイソン・ステイサム
言わずと知れた筋肉系スター。50歳を超えるというのに、理解不能なほどムキムキの身体を維持している。
本来なら労われはじめる年齢だが、率先してサメに挑んでいく。命知らずというより、もはやバカである。
巨大ザメ×ジェイソン・ステイサムの掛け合わせは比類なき無敵の配合だ。

この映画の素晴らしい所は王道を突き進むことにある。
これまでのハリウッド大作で培われたベタ路線を恥ずかしげもなく踏襲し、観客を喜ばせることを第一義としている。
もうここに挙げきれないほど観たことのあるシチュエーションが繰り広げられる。そして、それは決して私たちを裏切らない。
また、ストーリー展開で「あれ?」と思ってしまう疑問も全ては我々を喜ばせるためのシナリオなのだ。細かいコトにケチを付けてはいけない。それは野暮な行為である。

巨大であること、サメであること、それと戦うのがジェイソン・ステイサムであること。
この3つの要素をもった時点でこの映画は勝利を手にした。
私たちはその勝利にただ酔いしれればいい。