FOR REAL -戻らない瞬間、残されるもの。-

横浜DeNAベイスターズの2019年シーズンを振り返るドキュメンタリー。ナレーターはベイファンムロツヨシ

2016年から始まったFOR REALシリーズ。その年のシーズンを振り返るドキュメンタリー上映だが、観るのは初めて。前シリーズに『ダグアウトの向こう』といのもあるらしいが未見。

1年を戦い抜いた選手、監督、コーチ、スタッフの様子をこういった形でファンに還元するのはとても良い試みで、着実にファンを増やしていきたい球団の姿勢がよくわかる。

内容は、メジャーへ旅立ってしまう筒香を軸に春キャンプからクライマックスシリーズまでを描く。石田の奮闘、山崎の覚悟、乙坂の人柄、柴田の努力、梶谷の頑張りなどなど。

ベイスターズファンならば込み上げてくるものがあるだろうが、私は阪神ファン。特に何も感じない。いや、山崎から放った近本の逆転3ランやCS突破の瞬間は小さくガッツポーズをしながら観た。

球場の裏側を観られるという点において、野球好きには貴重な映画だ。ハマスタのロッカールームやブルペン、他球場のベンチ裏の様子は興味深い。また、筒香や山崎らの愛車が左ハンドルの外車だということもわかる。やはりメジャー志望の選手は形から入るのかと、邪推する。

それなりに楽しめたが、FOR REALと銘打っている割りに綾部や乙坂の不祥事やパットン冷蔵庫パンチ事件に触れないのは潔くない。綺麗事ばかりで終わらせようとするのは如何なものか。