オルジャスの白い馬(竹葉リサ監督、エルラン・ヌルムハンベトフ監督)

【ネタバレあり】

日本とカザフスタンの合作映画。

タイトルから雄大な草原の優しげなお話かと思っていたが、全くそんなことはなかった。

白い馬、ほとんど出てこないし。

主演は森山未來とサマル・エスリャーモバとフライヤーには明記されているが、実際のところは少年オルジャス役のマディ・メナイダロフだろう。目の力強さといい、佇まいの雰囲気といい、この作品の核をしっかりと担っていた。

森山未來の役どころは言うなれば風来坊。全体的にセリフの多くない映画なので、森山未來の役もあんまり喋らない。「カザフ語で熱演」と謳われているが、そこまで持ち上げるほどセリフ量は多くない。いや、頑張って覚えて演じていたとは思うが。製作サイドとしては、彼の持つ雰囲気を作品に注入したかったのだろうから、あまり喋らずとも良い役柄として登場させたのは賢いキャスティングだと感じた。

どんな話だったかと問われれば、いささか強引ではあるが、カザフ版『シェーン』だろうか。

それから、子猫が登場するのだが、これが「ミー、ミー」鳴いて、抜群にカワイイのでネコ好きには見逃せない作品でもある(もちろん、ただカワイイという理由だけで出てきているわけではない)。