サンウルヴズ開幕戦

日本ラグビーが自国開催でのワールドカップに向けて大きく成長するために2年前から参戦しているスーパーラグビー。日本を本拠とする我らがチーム名は【サンウルブズ】。今季は日本代表ヘッドコーチであるジェイミー・ジョセフにサンウルブズのヘッドコーチを兼任させ、これまでよりも代表色の濃いチーム編成になる。

その開幕戦が2月24日(土)に行われた。

相手はブランビーズ。オーストラリアの強豪チームである。

結果は25-32の敗戦。

前半を19-15でリードして折り返しただけに悔しさの残る試合であったが、2年前は5-66で敗れている相手とほぼ互角に渡り合っていた。この試合を報じる各スポーツ紙や評論家たちも概ね評価している。

スクラムやモールでは相手を押し込んでいたし、個人技で突破されても簡単にトライにまでつなげさせないディフェンス力があった。チームの成熟度がまだ浅い初戦、しかも福岡や田村といった昨季の主力も出場していない中での善戦。今後の戦いが期待できる内容だったと思う。

この試合の問題点は試合内容よりも、会場を満員に出来なかった運営側にある。

秩父宮ラグビー場はその公式サイトを見ると24871人収容できることになっている。発表されたこの試合の観客は14641人。なんと1万席の空席があったことになる。

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まあ、試合開始直前がこういう状況だったので、薄々感付いてはいた。また、テレビ中継画像を観ると、バックスタンド側にも空席があることがとわかる。

私はファミリーゾーンという前売り¥3000の席で観た。スタジアムを横長サイズで観られる席の中では最も安い席である。

バックスタンド側で空席を作っていたのはファンゾーンという席の中でもSSという区分をされている席だと思われる。これは前売りで¥7500。

その差なんと¥4500。同じ試合を観ているのに。座席シートの質も全く変わらないのに。たかだか数メートル低く数メートル真ん中よりというだけで。

 

来年ワールドカップを自国開催するというのに、そのトップチームの開幕戦を満員に出来なかった。

ラグビーに興味のない人は「ラグビー人気がないだけでしょ」と言うだろう。そういう理由ならば致し方ないが、その原因は人気の無さではない。昨季のトップリーグ勝戦は23416人の観客を集めている。人気はあるのだ。ましてや開幕戦。集客要素がありながら1万人の空席を作ったのはチケット料金の高さにある。そしてこうなることは予想出来ていた。

高い - 忘れて日が暮れりゃあ、あしたになる

1月17日に私が書いたブログである。最後の一文を「いざスーパーラグビーが開幕して秩父宮が満員になっていたら恥ずかしい限りだ」と書いて締めたが、結果はこの有り様。

人気はでてきているが、サンウルブズにそこまでの大金を払う価値はまだないのだ。ここ2年で3勝しかできていないチームなのだからその評価は当然だ。それなのに¥5000以上の価格設定をしてはいけない。勝てない可能性が高い試合を観るには高すぎる値段だ。

 

南アフリカに勝利した2015年のワールドカップ後、ラグビー界がにわかに盛り上がったさなかで行われたトップリーグの開幕戦【パナソニックサントリー】でスタジアムを満員に出来なかった悲劇が思い出される。

「ラグビーが負けた日」完売なのに空席 協会大失態 - ラグビー : 日刊スポーツ

今回の開幕戦はチケットの高さが空席の原因であると思っているので、この記事と同様のミスをしたわけではないと思うが、いかなる理由にせよ、1万席の空席を作ったのは運営側の不手際と言わざるを得ない。

トップリーグサンウルブズでは運営組織が異なるので一概に同じような批判をするのは間違っているかもしれないが、おおもとは日本ラグビー協会である。2年半経ってもチケットの捌き方を学んでいないとしか思えない。そろそろホントにちゃんと考えてもらいたい。満員の観客に見てもらう環境こそがチームを強くするのだから。