FOR REAL -戻らない瞬間、残されるもの。-

横浜DeNAベイスターズの2019年シーズンを振り返るドキュメンタリー。ナレーターはベイファンムロツヨシ

2016年から始まったFOR REALシリーズ。その年のシーズンを振り返るドキュメンタリー上映だが、観るのは初めて。前シリーズに『ダグアウトの向こう』といのもあるらしいが未見。

1年を戦い抜いた選手、監督、コーチ、スタッフの様子をこういった形でファンに還元するのはとても良い試みで、着実にファンを増やしていきたい球団の姿勢がよくわかる。

内容は、メジャーへ旅立ってしまう筒香を軸に春キャンプからクライマックスシリーズまでを描く。石田の奮闘、山崎の覚悟、乙坂の人柄、柴田の努力、梶谷の頑張りなどなど。

ベイスターズファンならば込み上げてくるものがあるだろうが、私は阪神ファン。特に何も感じない。いや、山崎から放った近本の逆転3ランやCS突破の瞬間は小さくガッツポーズをしながら観た。

球場の裏側を観られるという点において、野球好きには貴重な映画だ。ハマスタのロッカールームやブルペン、他球場のベンチ裏の様子は興味深い。また、筒香や山崎らの愛車が左ハンドルの外車だということもわかる。やはりメジャー志望の選手は形から入るのかと、邪推する。

それなりに楽しめたが、FOR REALと銘打っている割りに綾部や乙坂の不祥事やパットン冷蔵庫パンチ事件に触れないのは潔くない。綺麗事ばかりで終わらせようとするのは如何なものか。

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け (J・J・エイブラムス)

40年に渡って映画界を盛り上げ続けたSF超大作シリーズが完結。

元々、ジョージ・ルーカスが作る気の無かったと言われるep7~9を作り、この5年間を楽しませてくれたディズニー、ありがとう。

出がらしのお茶っ葉にあらゆる科学技術を投入して成分を抽出し、それらしい色を付け、むりやり旨さを作り出した感は否めないが、それで良い。だって1~3もそうだったから。

スター・ウォーズはお祭りなんだ。目の前で神輿を担いで盛り上がっているのを見過ごすなんてあり得ない。一緒に担いでじゃんじゃん騒ぐのが一番。参加することに意義がある

だから、何がどうとか、あれがああだとか作品にケチをつけるのは野暮だ。温かい目で見守るのが正解。

それから、ジョン・ウィリアムズの音楽は相変わらず最高だった。あの大画面で壮大なメロディを体感するだけでも価値がある。エンドクレジットに流れる10分超のフィナーレはサーガを締めくくるに相応しい組曲になっていた。

 

不満。

ラグビーワールドカップを何試合か観に行っている。

日本戦も対ロシア、対アイルランド、対スコットランドと現地で観てきた。その躍進に驚き、そして感動している。去年の1月からチケットを手に入れるために頑張ってきた甲斐があった。

ベスト8進出を決めたスコットランド戦。日産スタジアムの熱気は凄まじかった。67000人の熱狂たるや、日本ダービーの10万人のファンファーレをしのぐ興奮がそこにはあった。

そんな歴史的な瞬間に立ち会えたのに、あえて水を差すことを書く。完全に愚痴であることは承知の上だ。

歓喜の試合終了後にかかった曲が気にくわない。

『Rising Sun』(EXILE)

本当に試合終了直後に流れた。

「なんでこの曲?」

が会場にいた私の感想だった。

何か由来があるのかもしれない。Rising Sunを検索してみる。出てきたのは東日本大震災復興ソングであること、9/6に行われた壮行試合 日本vs南アフリカ戦の前に中学生たちが「ダンスで日本を元気に」というRising Sun Projectの一環で踊ったこと、というのものだった。

なるほど試合前日に日本列島を襲った台風19号の被害は深刻で、被災者に向けて「頑張ろう」という意味合いはあっただろう。また曲名からして日出づるだ。日本の勝利にはふさわしいのかもしれない。

けれど、いかんせんラグビーとの馴染みがほぼない。LDH(EXILEの所属事務所)が立ち上げた震災復興を支援しようというRising Sun Projectは立派だが、何もわざわざ試合終了直後に大音量で観客を煽るように流す曲ではない。うがった見方をすれば、選曲者の、うまいこと選んだでしょ?  という「やってやりました感」がすけてみえる。

そもそも、試合終了直後に曲を流す必要はあっただろうか?

アイルランド戦の終了後は観客を煽るような曲は流れず、激闘を制した選手たちにファンがそれぞれ大声で感謝の言葉を掛け、そこに鳴りやまない拍手があり、偶発的に万歳三唱が起きた。それは、とても感動的なシーンとして記憶の中にとどめられている。

史上初の決勝トーナメント進出という日本代表が目標を成し遂げたあの空気を、その勝利の余韻を、手つかずのまま味わいたかった。よくわからん曲に邪魔されたくなかった。

どうせ流すのであれば、これまでラグビー人気を細々とつないできた『ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO』(麻倉未稀)にしてほしかったなあ。

以上、不満1個目。

 

東京オリンピックのマラソン競歩が札幌で行われる、というよくわからないニュースが飛び込んできた。理由は暑さ対策、だという。

もはや、何を今さら、である。7月から8月にかけて開催することなんか、ずーっと前から決まってたじゃん。暑い時期なんてことは知ってたじゃん。

別に札幌で競技を行うことに反対ではない。そりゃ、少しでも涼しいところでやった方が選手も楽でしょう。でも、そんなこと言い始めたら屋外競技、全部暑いよ。それに、札幌とて時には東京をしのぐくらい暑い時あるよ。開催時期をもっとちゃんと検討すれば良かったじゃん。

それで、何が気にくわないのかというと、バッハとかいうIOCの会長だ。ドーハで行われた世界陸上のマラソン競歩で棄権者が続出して選手の命の危機感を抱いたというが、なんのことはない。バッハが自分の保身のために言い出したのだろう。東京でマラソン競歩をさせて、万が一死人でも出たら、会長としての立場が無くなることを恐れたに違いない。自分の経歴に傷をつけたくないのだ。

それで、開催が9ヶ月後に迫ったこの時期に突然の通告。結局、日本人はナメられてる。明治維新の時から欧米人の日本を見る目は変わってない。同じ敗戦国のドイツ人ですら、こういうことをしてくる。

これはある種の戦争なので、「はいわかりました」とすぐに承諾せずに、ごね続けてほしい。揉めに揉めてぐちゃぐちゃになるくらい抵抗して、日本人の意地を見せてもらいたい。

以上、不満2個目。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(マイケル・ドハティ監督)

ネタバレあり

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シネシティ広場(旧コマ劇場前広場)を威嚇するゴジラ

前作から5年。ようやく続編が公開される。
その前作はゴジラの単独出演作かと思いきや、見ず知らずのムートーなる昆虫っぽい怪獣と戦っていて肩透かしを食らった。
あんなぽっと出のヤツに怪獣王が負けるわけがない。
今回は公開のかなり前からキングギドラモスララドンが出演するという情報が解禁され、ファンの期待を高ぶらせた。

自分も期待したファンの一人。
5月31日の世界同時公開にあわせ、TOHOシネマズ新宿での0:30~の回に乗り込んだ。
さあ上映。
そして、、、
ある程度期待に応えた作品になったと思う。
全編通して間近に怪獣を感じることのできる作りになっていて、まさに怪獣サファリパーク。壮大なスペクタクル映像は映画館で観てこその仕上がりだ。
さて、あらかじめ情報公開された3大スターたちはどうだったか。
キングギドラゴジラの最大のライバルという立場にふさわしく、憎らしいまでの強さを発揮。敵役として申し分のない働きを見せてくれた。
モスラはベースが蛾なので、どうしてもほかの怪獣と強さに差が出る。そこを神秘性と神々しさをもって全力でカバー。地球の守護神たる役目を全うしていた。
ラドンはそのデビューを単独主演で飾りながらも(『空の大怪獣ラドン』1956年・本多猪四郎監督)、その後は常に脇役にまわり続ける不遇の扱いを受けていたが、ハリウッドに行っても悲しいくらいの引き立て役。だが、こういうキャラクターは実は得難い存在で、作品にメリハリを付ける重要な役割を見事に果たしていた。

色々な突っ込みどころはなくはない。
・怪獣の肉弾戦の最中に、その足元で人間がちょこまか動いていて無事であるはずがない
・怪獣を操れる〈オルカ〉という機械が万能すぎる。その割に、いろんな意味で扱いが雑
・子供がスルスルとフェンウェイパークの内部にまでたどり着けちゃう
・芹沢博士の決死の覚悟を皆があまり止めない
などなどあるが、いちいち指摘して批判するほどのことではない。
映画的な妙味である。
※野球ファンには、フェンウェイパークで怪獣が戦い、さりげなくモンスターコラボさせているのが嬉しい

この映画の根底にはオリジナル作品へのリスペクトがある。
劇中でゴジラが登場するシーンではあのゴジラのテーマが流れ、モスラが登場するシーンではあのモスラのテーマが流れる。
伊福部昭古関裕而。日本が生んだ世界に誇れる作曲家の名曲がハリウッドの超大作で使用され、大スクリーンで聴くことができるという誇らしさと嬉しさが胸に残る。これだけを取っても観る価値のある作品である。
また、エンドロールの最後を故坂野義光、故中島春雄へ敬意を表する形で締めくくっており、作り手のゴジラへの愛と尊敬の念を強く感じる。

次作はいよいよキングコングとの決戦。
無茶苦茶強くなったゴジラキングコングがどう対峙していくのか。
是非ともお城を粉々にしながら戦ってほしい。

第86回・日本ダービー

ロジャーバローズの優勝で幕を閉じた日本ダービー

買ったばかりのカメラでいい感じの写真が撮れたので
画像で振り返るダービーDay
Let's Go!

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竹之下騎手(上段左から二人目)の紹介時には一番大きな声援!

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国歌斉唱は木村カエラ。のびやかで綺麗な歌声でした♪

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真夏日で客足が鈍るとも思ったが、大台超え。

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待機所から移動。最後方はイレ込むサートゥルナーリア。

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出遅れるサートゥルナーリア! スタンドが大きくどよめく。

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好スタートを決めたロジャーバローズとハナを主張しに行くリオンリオン

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超ハイペースで逃げたリオンリオンに襲い掛からんとする後続勢

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殺到する後続勢

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粘るリオンリオン

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抜け出すロジャーバローズ

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粘り込みを図るロジャーバローズに迫るダノンキングリー

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栄冠はロジャーバローズの手に!

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調教助手さんと熱い握手

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歓声に応える浜中騎手

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表彰式

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おめでとうございます!

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土屋太鳳と松坂桃李と記念写真を撮るダービージョッキー

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歓声に手をふる土屋太鳳

熱狂冷めやらぬ中で行われた目黒記念
59キロを背負ったブラストワンピースは8着に敗れた。
ダービーでサートゥルナーリアも散り、凱旋門賞を目指す2頭の夢はこの日潰えた。

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目黒記念で奮闘する藤田菜七子騎手

菜七子にダービーの日に乗る馬を用意してくれる陣営。
すごく刺激を受けていると思う。
彼女がダービーに乗る日もそう遠くないだろう。
楽しみに待ちたい。


さて、最後にダービーの発走前の演出について。
ファンファーレの前にターフビジョンにダービーへの思いを語る人物が何人か語るVTRが流されたのだが、その内容に深い疑問を持った。
柴田政人池江泰郎が出てくるのはまだわかる。苦労してダービージョッキーになった柴田政人の思い、ディープインパクトを送り出した池江泰郎の重圧は聞く価値のある言葉だろう。
だが、その後に出てきた長岡一也アナ、麒麟の川島、宮川一朗太は全く必要なかった。
ダービーはお祭り。ファンの誰もが主役であるはずなのに、アナウンサーという特殊な枠にいる人の思いなどはレース直前に聞く話ではない。そして、川島と宮川一朗太の思いなんかは興味すらわかない。ファン代表というくくりなのだろうが、彼らは名が売れているだけであってファンという立場では我々と対等であり、彼らに代表される筋合いはない。現に川島がターフビジョンに映し出された瞬間に場内からは失笑ともいえる笑いが起こり、宮川一朗太にいたっては「誰だお前は」という空気を感じた。
本来、ファンファーレがあるのだから必要以上の演出はいらない。それだけで大いに盛り上がる。それでも何かしたいのであれば、これから始まる大一番を邪魔しないように配慮しなくてはいけないだろう。
今回は、芸能人を出せば盛り上がるだろうという安易で浅はか考えが透けて見える。
そもそも大観衆のざわめきでVTRの音声がよく聞き取れないことを製作者はわかっているのだろうか。
ダービーに限らず、こういった製作者の独りよがりな演出は考え直してもらいたい。

アベンジャーズ:エンドゲーム(アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ監督)

この10年間、我々を心の底から楽しませてくれたアベンジャーズ軍団がここに完結。

喜びを、そして感動をありがとう。

 

かつての日本映画の大作といえば忠臣蔵だった。

そう。

アベンジャーズ忠臣蔵なのだ。

オールスター出演の超大作。各出演者に見せ場があり、涙と笑いとカタルシスが詰め込まれている。

前作のインフィニティー・ウォーが花の巻なら、今回のエンドゲームは雪の巻。

物語は誰もが納得する形で大団円を迎える。

 

思えば、『アベンジャーズ』のキャッチコピーは

【日本よ、これが映画だ】

だった。

その惹句に偽りなしの作品だったが、今作こそ、それを思い知らされた。

もう、こんなキャッチコピーはいらない。

観ればわかる。

これが"ENTERTAINMENT"なんだと。

 

リアルタイムでアベンジャーズシリーズを劇場で観続けられたことに感謝したい。

 

改めて言おう。

ありがとうアベンジャーズ

 

七つの会議(福澤克雄監督)

芸能界総出の顔芸祭り。
狂言界から野村萬斎、歌舞伎界から片岡愛之助、演劇界から鹿賀丈史音尾琢真、落語界から立川談春春風亭昇太、映画、ドラマ界から北大路欣也橋爪功勝村政信、そして狭間で生きる香川照之、歌手からは及川光博世良公則、岡田浩暉、お笑いからは藤森慎吾。
それぞれが喜怒哀楽を顔で目一杯表現してくれる。誰が一番面白い顔をするのか。
これは本邦初のにらめっこ映画だ。
その中で紅一点の朝倉あき。役柄とも相まって、美味しい役になっている。
データ改ざんに隠蔽がテーマとなっており、現政権を真っ向から批判する内容だが顔芸が面白すぎて、あまり伝わって来ないのが何とも惜しい。

肉離れ日記④

3/29に予定していた2度目の「ゆらし」は、前日にお花見で27時まで痛飲してしまったため、回避。受傷以来、控えていたお酒が思った以上に進んでしまい、とても翌朝10時に通える状態ではなかった。クーラーボックスにアルコール9%のストロングゼロが多めに入っていたのが良くない。9%はすぐ酔っちゃう。
というわけで、翌日に2度目の「ゆらし」。この日までに、左足は右足よりも一歩半以上出せるくらい回復していた。前回の左ふくらはぎよりも格段に回復のペースは早い。受傷程度の違いもあるので一概に比較はできないが、ちょっとビックリするくらいの回復具合だ。
「ゆらし」は前回よりも入念に揺らしてくれた。施術後は多少歩きやすくなったので、それなりに効果はあるのだろう。施術側も一定の回復があると判断したようで、とりあえず今回で卒業、すなわち「もう来なくていいよ」ということになった。確かにだいぶ歩けるようになったが、それが「ゆらし」だけの効果であるとは思えない。母からもらった田七は人によっては相当の効果を発揮するらしいし、ロキソニン入りの湿布も12月の軽いハムストリング肉離れでは物凄い効き目だったので、今回もそれなりの力を示しているのではないか。そして、私自身の回復力も捨てたものじゃないのかもしれない。まあ、それらが全てうまいこと絡み合って予想以上の回復につながっているのだろう。

それから二日後。仕事開始。早速運転業務も発生。ドキドキの受傷後初運転に突入である。
難なく運転できました。
バンなので、座席の位置が乗用車より高く、乗り降りの時に足の運び方を気をつけないと思わぬ力が右ふくらはぎに入り「ウォッ!」と人知れず悲鳴を上げることはあるものの、運転自体に支障はない。良かった。

さらに二日後の今日。ビッコではあるが、かなり歩く速度は上がった。小走りするお姉さんには到底及ばないが、ただ歩いているお姉さんとはほぼ変わらない速度になった。
ただ、右ふくらはぎをかばっているので、健常時には痛くなったことのない筋肉がとても張っている。この筋肉をこれ以上痛めてもいけない。ホントに面倒。健康の大事さを痛感する毎日だ。

この日記の次の更新は走れるようになった時。忘れていなければ。
その時は50m走でもしてみようかな☆

肉離れ日記③

三日目。

10:00。ゆらしlabに行く。果たして痛みは劇的に改善されるのか。

店内は開放的な整体屋さんという印象。

入店時に対応したお兄さんがそのまま施術してくれた。

まずは問診。いつどこでどこをどのように肉離れしたのかを訊かれる。

3日前に久々の草野球で振り逃げした時。という恥を初対面の人にさらす。

そして施術。まずはうつ伏せ。

お兄さんの触診に思い切りが足りないので、サワサワっとした触り方になり、身体が緊張する。が、我慢。これがゆらしのテクニックなのかもしれないから。

自らが整体を習っていたので、この触り方の重要性を改めて知る。最初にこのアプローチをされると身体が無駄に強張ってしまう。

要はお兄さんとの相性が良くないのだが、途中でチェンジできるわけでもないので、そのまま施術は続く。

「ゆらし」とは痛みを起因とする受傷した周りの組織が固まってるのを、ゆらすことによる血流促進で柔らかくし、さらに回復させていく技法らしい。

施術中にお兄さんが説明していたことを、自分なりに解釈した結論である。

とにかく血流促進によって栄養素を通常よりも多く傷口に送り込むという回復法なのだ。

50分ほどの施術後、店内を歩かされると確かに入店時によりは歩きやすくなっていた。具体的には左足が右足よりも一歩分前に出せていた。施術前は半歩だったので、効き目はあったのだろう。

サイトの動画ほどの劇的な回復ではなかったが、まあこんなものだろう。それに動画は「2度目の施術後」というタイトルもあった。2回は受けないと劇的回復は望めないのかもしれない。

というわけで、次回の予約をすることにした。一回7000円の価値は正直今回だけに限れば無い。だが、4月1日に問題なく運転したい、という希望はお兄さんにも伝えてある。次回の施術でお兄さんも本気を出してくるだろう。

二回で14000円。決して安くない。むしろ高い。

自らの回復力と「ゆらし」の本気を信じたい。

次回の施術は3月29日。

肉離れ日記②

二日目。

朝。症状に変化なし。まだ15時間しか経過していないので良くなるわけがない。だが、1週間後には運転できる足になっていなければならない。

普通の治療法では間に合わない。

なにか秘策は無いかと「ふくらはぎ 肉離れ 治療」で検索。

そこで一番手に上がってきたのが【肉離れ3日ー2週間で早期回復 | 品川3分/世田谷環七/代々木30秒 | yurashi.net】である。

肉離れが3日で回復するわけがなかろう。広告で最初に表示されているので、それなりの広告費を支払って宣伝しているのだろう。フンと鼻で笑ってみたが、とりあえずサイトを覗いてみた。

重傷患者が施術後に痛みなく歩いている動画がいくつも掲載されている。

ウソくさいが、ホントならばこんなにスゴいことはない。普通に治していくという選択肢が無い今、騙されたつもりでチャレンジしてみるのもありなのかもしれない。

料金は一回7000円。

かなり高いが動画通り回復するならば安い。

そのままネットで明日の10時に予約をいれた。【ゆらし】という技量が如何なるものか、見定めようではないか。

翌日の眉唾治療に胸を高鳴らせつつ、仕事に出掛ける。受傷した右足よりも前方に左足を出すことが出来ないので(いわゆるびっこ歩き)、歩く速度が通常の5分の1程度にまで落ちている。なので、移動手段は駅まで歩かなくてはいけない電車よりも家からスタート出来る原付がベスト。が、エンジンが古びているので始動時にキックせねばならず、この動作がヒヤヒヤする。日常のあらゆる動きでふくらはぎを使っていることを痛感させられる。

 

18:00。

発症後、24時間が経った。

若干、痛みが引いた。田七、ロキソニン湿布、鶏肉系の食事が効いているのだろうか。

だが、まだ運転できる足では無い。

明日のゆらしに賭けてみたい。